君が好きになるまで、好きでいていいですか?

書類だったり、新聞とか、確かにそうゆう乱雑になっている部分もあるけど、それは持ち込んだ仕事のせいで、基本きちんとした性格なんだと分かる


「やっぱり?」

作ってもらった朝食を食べながら、実は自分より女子力が高いのではと、落ち込む

「普段私より忙しいのに………」


向かいに座る後藤が嬉しそうに、万由の頬についたケチャップに手を伸ばし、指で拭った

「ただ、してあげたいと思う事をしてるだけだよ」


「……………っ」







「か、会社への道で迷うことなんてありませんからあの………」


「ん? まあまあ」


私の歩幅に合わせ、ゆっくりと並んで歩いてくれる後藤さん

「後藤さんっ!」


駅を通れば見覚えのある会社の人たちが出勤のため、同じ方向に足を向けているのに


しっかりと手を繋ないで引かれながら会社へ向かう


「別に社内恋愛禁止でもないし、勤務中でもないし、おかしい?」


嬉しそうにそう言って、さらに繋いだ手を振り上げる


みんな見てるしぃ

「不仲説、出てただろ?俺達。
だからこうしてみればその噂もすぐ消えるだろ」

「…………誰のせいですか」


昨日と同じ服なのに、この状態じゃあお泊まりがバレバレじゃないっ…………


会社まで来れば、堂々と手を繋いで出勤する二人がますます注目を浴びる


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