君が好きになるまで、好きでいていいですか?

改まって万由に見つめられる後藤

「ん?」


「結局のところ、後藤さんが私と初めて会ったのっていつなんですか?」


「えっ………?」


私がここで告白される前、何がきっかけで彼が告白に至ったのか、それが分からないままだった


「もしかして、ここで会ったりしました?」

「……………」


少し考えるように固まる後藤に首を傾げる


「ああそう、ここですずめに話しかけてたね」


思い出しながら後藤が、クスクスと笑う


「………すずめに?」


やっぱりここで後藤に出会ったって事なんて思いだせない………



「それ、いつ頃ですか?」



「教えない。その堅苦しい敬語が無くなるまでね。さぁっ、もう仕事に行かないと」


ポンポンと頭を小突かれ、背中を押された







そうだったなぁ………



あの、初めて万由を見掛けた日も、確かこんな風に天気がいい朝だったっけ



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