君が好きになるまで、好きでいていいですか?


「えっ? ああっ!おめでとうっ!!」


あの時の、和音さんが妊娠してた赤ちゃん


女の子かぁ


『万由にはすぐに知らせたかったんだ。
あの時、万由が言ってくれたおかげだから』

心なしか、慧斗の声が昔より一層優しく感じる

「お父さんなんだ慧ちゃん。変な感じ」

ふふっと笑うと、なんか頬がくすぐったい


『万由は?』 


「ん?」


『アイツと上手くいってるのか?大体、携帯に勝手にでる男なんて、ちょっと考えもんだぞ………』


「あー…………まあ、ちょっと妬きもちなだけだから」


はは…………実は今に始まった事じゃないし


『ふぅん、でぇ……その妬きもちやきは今何やってんだ?』

へ? そう言えばどこ行ったんだろ………



気が付くとバスルームからシャワーの音がする

シャワー浴びてるのかな……?


「んーなんか、いじけてるかも……」



『はぁっ………おばさん心配してたぞ、彼氏がいるのは知ってるけど、まだ紹介してないだろ』

そんな事言ったって、まだ結婚する訳じゃないし………


『ま、気が向いたら子供見においで。和音も一度お前に謝りたいって言ってたから』

「いいのっ?!」

産まれたばっかりの赤ちゃん見たい!


『お前の彼氏が、果たして俺に会っていいって言ったらな』


「あー………」


 確かに………

< 326 / 333 >

この作品をシェア

pagetop