君が好きになるまで、好きでいていいですか?
PM 7:00に会社の近くの居酒屋で飲み会は始まった
飲み会が始まる前に慧ちゃんに電話して、急な飲み会が入った事を伝えた
「じゃあ、9時前に電話する。そうすれば二次会は用事があるからって断りやすいだろ。」
そう言って、一応今日の飲み会の場所も教えた
正直お酒はあまり強くないし、今日はあまり飲むつもりもない。
いつもの企画部での飲み会でも、大体同じ様にタイミングよく慧ちゃんに電話をしてもらって、一次会だけで帰る
『飲むなよ。万由は酒弱いんだから』
「…………はい」
飲み会はお疲れ様に、ただ乗っかっただけで結局、営業部の人達だけが盛り上がっていた
本当だったら今頃慧ちゃんとご飯食べてたのに………
事務の女子社員達はもちろん、何人かは後藤課長の周りに固まっていた
「沢村さん、飲んでる?沢村さんには本当お世話になったからこれで終わりなんて、寂しいよぉ」
もう、一時間もすると、あちこち席を離れた男性社員たちが立ち替わり万由の所にやってくる
「沢村さんには移動して、残って欲しかったのになぁ」
「…………いや、私は企画部の方が合ってますから」
隣にきた男性社員がそれを聞いて、深い溜め息をついた
「企画部って言ったらやっぱり浅野主任だろ? あの人が沢村さんみたいな子を手離す訳ないよなぁ」
「……………」
「でも、気を付けないと浅野主任って言ったらあの浅野主任だろ?」
何人かの人達がおもしろ可笑しく浅野主任の事を話始めた
「昔、社長秘書に手を出して妊娠させたから結婚したけど、子供が産まれた頃に浮気して離婚されたんだろ確か。それで社長が激怒して副社長から企画部主任に降格させられたって…………」
まあ、その話は私が入社前の話だけど、有名だよね
「根っからの女好きらしいが、あのルックスじゃあ仕方無いよな」
浅野主任は姿形だけで言えばきっと、後藤課長よりモテたと思う。
社内でもそれなりにファンもいるが、そのバツイチ浮気男のレッテルが
結婚したい男ランキングから圏外扱いなのだ
「次期社長ってのも微妙だよなぁ」
「……………」