君が好きになるまで、好きでいていいですか?

PM 9:00

一次会からウダウダ二次会の相談が始まって、居酒屋の前で何人かが誘いながら人数を確認していた

多少フラフラしている万由に、後藤が手を伸ばす。

「やっぱり、送ろう」

腕を引かれて支えられた



「万由っ」

居酒屋から出たすぐの所に慧斗が待っていた

「あれ?慧ちゃん」

駆け寄ってくると、すぐに万由に手を伸ばした

「ご迷惑かけてすみません。ありがとうございます。」


そう言って後藤から引き離し、万由の腰に手を回し支えた


「慧ちゃん、なんれ?待ち合わせの居酒屋に行くとこらったのに」


「完全に酔ってるだろ。電話で分かったから迎えに来た。歩けるか?」

少し深呼吸をして、「ん、大丈夫」と慧斗に身体を寄せる



「へぇ、沢村さん彼氏が迎えに来たんだ」



万由を抱えながら、慧斗が一礼していった。

「沢村さんの彼氏、カッコよかったですね。ラブラブって感じ」

桜井がそう言って後藤の顔を覗き込んでみると、はぁっと小さな溜め息をついた


「……………」


「課長ぉっ二次会行きましょう、二次会!」

桜井亜沙美が後藤の腕に絡みついて、顔を寄せながら小声で

「それとも、これから二人で飲み直します?」

上目遣いでそう迫るが、後藤は片手で顔を覆った



「…………悪いが、ちょっと俺も飲み過ぎたから帰るわ」


「えぇー………!」



桜井の絡みついた腕を押し返し、若手の男性社員に、二次会の融資資金を渡し、駅に向かって行った


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