君が好きになるまで、好きでいていいですか?

ええぇっ?! ちょっとぉ……………?!
酔ったふりって…………

「その後、後藤課長に寄り掛かって帰ろうとしたら、彼氏が迎えにきて連れてかれたんだって」


「うわっ、営業部との飲み会に彼氏の迎えって有り得ない!!!」

「でしょぉっ!ドン引きだったらしいよ」


なに? これ………私の事?


思わず聞いていられなくて、ロッカーの扉をバンッと音を立てて閉めた


一瞬にして話し声が止まり、万由もバタバタとロッカールームをでていった。


なにそれ…………何でそんなこと言われなきゃいけないの?

腹立たしさか込み上げる

私、営業部のやり方になんか文句言ってないし、酔ったふりなんか………

営業部の飲み会に彼氏が迎えに来ちゃダメなんて、誰が決めたの? 

ワケわかんない!!

早くその場を立ち去りたくて、ツカツカとエレベーターへ向かう途中、まださっきのまま立ち話をしている浅野主任と後藤に出くわした。

「万由ちゃん~!」

そう言って安気にバイバイと、手を振る浅野主任を見ると、その隣にいる後藤もこちらを向いていた


……………一体、私が何したっていうのよ?!

憤りを隠せず、視線を伏せたまま軽く一礼してその場を通り過ぎた




「……………あれ、なんか万由ちゃん機嫌悪そうじゃなかった?」


足早に通り過ぎていった万由の様子に立ち話をしていた男二人は、呆然としていた。


「………………」

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