君が好きになるまで、好きでいていいですか?



「へぇ……万由が告白されるとはねぇ………」


「……………」

なんか、話しておいて後悔してきた………

そう思いながらも、慧斗は目を細めながら聞いてきた

「告白してきた奴ってどんな奴?」


「………う~ん、抱かれたい男No.1的な?」


「あ"ぁっ?!」

低めの声が堕ちてくる。なんかちょっと楽しくなった


「仕事ができて、いつも綺麗どころのお姉様方をはべらせてる社内で一番のイケメン」

「なんだそれ………なんでそんな奴が、断ったのか?」


「さぁ、どうしようかなぁ」

もう、御断りしましたけど………


「万由、お前なぁ………」


bububu………bububu………


慧斗の携帯がなって、「悪い」と軽く断りを入れ通話の着信を見る


「…………………」

電話口から微かにする女性の声


席を立ちながら、「和音?」と慧斗の口が動くのに、思わず視線を逸らす


付き合って2年になる、慧斗の彼女だ
同じ会社の同期で慧斗より一つ歳上の椎名和音(しいなかずね)さん

ひと気の少ない場所で話をする慧斗をゆっくり見つめる万由


幼馴染みかぁ…………


昔から、人懐っこくて友達も多くて、頭も良くて中学の時なんか生徒会長だったし

それに、昔っからモテてたし…………

幼馴染みじゃなかったら言葉さえ交わしてもらえなかったかも…………

小さく溜め息をついて、もう一度電話をしている慧斗を見る


仕事の話かなぁ…………

いつも会社で一緒なんだから、プライベートまで連絡してこなくてもいいのに……………
ってプライベートでも彼女なんだから、そんなこと関係ないかぁ

電話を終えた慧斗が眉間に皺を寄せて帰って来た


「万由、ごめん。一回会社に戻らなきゃいけない。」

やっぱり………
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