君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「へっ?」
間の抜けた返事をすると、万由は後藤から顔を叛けた
「この前、見ました。秘書課の人とイチャついていたの…………」
「はっ?あれは………」
あ、やっぱり見られたか………?まあ、あの場所だったからなぁ
「別に、私に関係ないですけど、あんまり良くないと思います。その………頭を撫でたり、誰にでもああゆう事するのは」
関係ないかぁ。少しでも気になって欲しいもんだが…………
「イチャついてなんてないよ。彼女の悩みを聞いてただけなんだけど………それに彼女からの告白は前に断ってるし」
「えっ?!」
「うーん。でも頭を撫でたりするのは良くないかな。この身長だからつい手が丁度良く乗るんだよなぁ。」
そう言って隣に座る万由の頭を撫でて、顔を覗き込んだ
「これからは沢村さんにだけする事にすればいいのかな。」
あんな男に遠慮することもないだろう
「はあっ?!ちょっ………私もちゃんと断ってますっ!」
思いっきり払い退けられた俺の手
あ……………ちょっと傷つくなぁ
「…………なんか、急に馴れ馴れしくなったんじゃないですか?」
「そう?でも仕方ないよ。俺は君に気があるんだから。それに、ここは会社じゃないし」
だんだん困った表情になっていってるのは分かっているが、今最高に楽しんでいる俺がいる
「…………課長は、何で私………なんですか?」
言いにくそうに、そう聞いてきた
「知りたい?言ったら俺の事好きになってくれる?」
「…………無理ですっ!!」
「じゃあ、言わない。」
「………やっぱり私の事、からかってます?」
クスクスッと笑って見せると、彼女はまた俺から顔を叛けた