君が好きになるまで、好きでいていいですか?
♪~♪~♪~
手に持っていた携帯に、目を見開いて直ぐに耳に充てた
「…………慧ちゃんっ?」
『万由……………今どこ? 会社?』
「………うん」
『そっか……………帰れなくてごめん。今、いい?』
いつもそうだ、慧ちゃんは謝ってばかり
「うん………和音さんは?」
『大丈夫……大したことなかったから』
声を落としての話しかたに不自然さを感じる
「慧ちゃんは? 会社?」
『…………いや違うけど、今日は休んだんだ』
彼の歯切れの悪い言い方で気付いてしまった
和音さんが近くにいる所からかけているんだ
「ねぇ………どうして?」
『えっ?』
「どうして慧ちゃんがそこまでするの?
だって別れたって言ったじゃないっ」
塞き止めてた思いが止められない
『………………っ』
「慧ちゃんっ!」
『…………ごめん、暫く会えない。けど………』
「やだっ」
そんなのおかしい
『…………今は、和音をほっとけない』
「…………っ」
『万由………また落ち着いたら…………』
ブツッ………
自分から電話を切った。
「うぅっ…………ふぇっ……っぐずっ……」
携帯を握り締めたまま、やりきれない想いと、止められない涙を自分ではどうする事も出来ない
「………うそつきぃ………ひぃっく………うっ……」
始業時間も忘れて、周りの事も気にせずに、ただただ泣き崩れた
「……………」
パサッ
「………?!」