君が好きになるまで、好きでいていいですか?

急に何かが覆いかぶさって、俯いた万由の周りが暗くなった

「………?」

顔をあげれば目の前に立つ後藤が小さく息をついた


「主任には電話しといたから、沢村さん今日は休みだよ。」

そう言ってペットボトルのミネラルウォーターを渡された

「えっ?」


「そんなんじゃぁ、仕事出来ないでしょ
何があったかは大体察しはつくけど………」

少し屈んで、被せた自分のスーツのジャケットの袖をとって万由の頬を拭った

「っ……………?!」

頬のあてられたとこが少し傷んで、顔を引いた

「貧血で気分が悪そうだから帰らせたって言っといたから。それで、俺は朝会議があるからここに居て。11時には終わる、そしたら家に送って行くから。」


そう言った後藤に首を振った

「け、結構ですっ」

「結構じゃないだろっ、そんな顔で…………」


ジャケットのかかった頭に手を乗せたまま顔を覗き込まれた。


「……………っ」


「そんな顔して会社まで来たのも驚いたけど、真っ青で目腫らしてふらふらしてる状態で仕事にもならないだろ。集中も出来そうにないし」


「ほっ………ほっといてくださいっ」

後藤から目を離して顔を叛ける

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