君が好きになるまで、好きでいていいですか?


陽射しのせいなのだろうか、優しい温かさを感じる………

いつの間に眠り込んでいたみたい

夢………?
そんな感覚があってふわりと気持ちが浮いた


「起きた?」

 えっ………?

凭れかかったその肩から聞こえた声に見上げると、近すぎる後藤が万由の顔を覗き込んだ


「!!」

自分から肩に凭れていた事に気付いて、すぐに身体を離した

「す、すみませんっ」


「いや、よく眠ってたから………」

スッとベンチから立ち上がり、
「今ならロッカーに誰もいないから用意しておいで、送って行くからあとで地下の駐車場にね。」と言って万由に背を向けた


「あのっ、もう大丈夫です。自分で帰れますから」

そう言う万由に
「出先のついでだから。」とそう返されて結局車に乗って送って貰うことにした


「あの、今日はありがとうございます。
でも……………」


やっぱりここまでしてもらうと………

「困る?」



社用車を運転する後藤の顔を、一度見上げてすぐに逸らした

「……………はい」


暫く黙って前を見据えたままの後藤

「言ったよね。俺の勝手だって…………
勝手に心配して、勝手に手を出してるだけだから」
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