mariage~酒と肴、それから恋~
だし巻き玉子と日本酒
・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・
ふわふわでジューシーなだし巻き玉子と
ぬるめの日本酒。
この組み合わせは最高だと思う。
※ただし、じゅんくん特製のだし巻き玉子に限る。
・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・
「私、じゅんくんのだし巻き玉子と添い遂げたい」
活魚居酒屋のカウンターで一人酒のあたしは、目の前のだし巻き玉子をうっとりと眺めながらそう呟いた。
「何それ、意味不明っす」
目の前の板前男子(じゅんくん)は、魚を捌きながら、首をひねって苦笑いした。
じゅんくんが、だし巻き玉子を焼いた本人。
「最後の晩餐にしたいって話よ~。それくらい好物ってこと」
じゅわ~っと広がる出汁の香り。
まろやかに舌を包みこむ、ぬるめの日本酒。
合わさって深め合って高め合って、鼻に抜ける。
ホロ酔い。ほっこり。生き返る~。
「ありがとうございます。カンナさん。料理人冥利に尽きます」
じゅんくんは包丁持った手を止めて律儀に頭を下げてきた。
目尻が嬉しそうにシワを作ってる。
照れたみたいな笑顔。
はぁ~。癒される~。
この居酒屋の大将が、“じゅん”って呼んでるから、私は“じゅんくん”って呼んでる。
ふわふわでジューシーなだし巻き玉子と
ぬるめの日本酒。
この組み合わせは最高だと思う。
※ただし、じゅんくん特製のだし巻き玉子に限る。
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「私、じゅんくんのだし巻き玉子と添い遂げたい」
活魚居酒屋のカウンターで一人酒のあたしは、目の前のだし巻き玉子をうっとりと眺めながらそう呟いた。
「何それ、意味不明っす」
目の前の板前男子(じゅんくん)は、魚を捌きながら、首をひねって苦笑いした。
じゅんくんが、だし巻き玉子を焼いた本人。
「最後の晩餐にしたいって話よ~。それくらい好物ってこと」
じゅわ~っと広がる出汁の香り。
まろやかに舌を包みこむ、ぬるめの日本酒。
合わさって深め合って高め合って、鼻に抜ける。
ホロ酔い。ほっこり。生き返る~。
「ありがとうございます。カンナさん。料理人冥利に尽きます」
じゅんくんは包丁持った手を止めて律儀に頭を下げてきた。
目尻が嬉しそうにシワを作ってる。
照れたみたいな笑顔。
はぁ~。癒される~。
この居酒屋の大将が、“じゅん”って呼んでるから、私は“じゅんくん”って呼んでる。
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