mariage~酒と肴、それから恋~
ぎゅーっと胸が苦しい。

それはもう手に負えないくらい。


「やばい、泣きそう。…いい年して」

両手で顔を覆う。


「何で泣きそうなんすか」


「…うれしくて」


指の隙間から見えたじゅんくんの顔が、私を見つめながらゆっくりと、また笑った。


もう一度、抱き締められた。

今度は、包みこむように優しく。


じゅんくんって、だし巻き玉子と日本酒のようだ。


そんなこと言ったら、また意味不明って苦笑いされるんだろうけど。


じゅわじゅわ~って心を解きほぐして、私を酔わすから。



・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・:+:・*・

end

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