復讐
あれから10分後の35分にはみんなきてくれていた。
「莉琥、果歩、千裕、歩美、ありがとう」
「今までありがとう…!珠樹」
莉琥。いつも明るくて、私が転校してきて1番に話しかけてきてくれたのは莉琥だった。それから皆と出会えて嬉しかったよ…
「向こうに行ってもがんばってね」
果歩。冷静沈着で皆をまとめる役でお母さん的存在だった。本の話が楽しくて、帰るのがめっちゃ遅くなったっけ…
「…さよなら…。手紙頂戴ね」
千裕。普段から感情をあまり出さなくて初めのころは話ずらかったけど、いまは話とってめっちゃ楽しいよ。
「にこっ…?」
歩美。今までで結局声を聞けなかった…。顔で読み取ったり、書いてくれたり…ちゃんと声で話すことがなかったけど嬉しかった。
「…えっとね、引っ越してきたときに結構体調崩しとったのに、お見舞いきてくれてありがとう。それが嬉しくて、それまではなかったから…。そっから莉琥が皆を巻き込んでこれて私がクラスに段々なじめてうれしかったよ」
これが私なりの感謝の言葉。
こんなことで通じるのかは分からないけど…。
『まもなく電車がまいります。線より後ろにお下がりください』
話していたらいつの間にか時間になっていて…。ここを出る時間になっていた。
「電車が来る時間か…。もうここともおわかれか…」
あ、1個忘れてた。
「海斗…。忘れとった、これ…」
「え?俺に?ありがとう」
私が渡したのは、1通の手紙。
感謝の気持ちを朝に書いた。
「…本当に…」
『電車がまいります。お下がりください』
「…う。じゃあ…」
みんなはなんと言ったか聞き取れてなかった。でも、自分は皆に言えた事がうれしかった。