【完】ふたご姉妹×ふたごのイケメン兄弟のめちゃ甘♡溺愛関係!
そして私は気づいたら、松下さんの腕を掴んでいた。
大声を上げて、引き止めるように。
その場にいた人たちの注目が、一気にこちらへと集まる。
だけどそんなことはどうでもいいくらいに必死だった。
松下さんが振り返ってこちらを見る。
ひどく驚いた顔をしてる。
「え……っ」
私はそんな彼女に訴えるように、震える声で叫んだ。
「な、ナツくんは…私の彼氏だからっ!!
と…取らないでください…っ!!」
恥ずかしくて、怖くて、ドキドキして、泣きそうだった。
こんな恥ずかしいことするの、きっと私くらいだ。
だけど、ナツくんに告白されるくらいだったら、そんなのどうでもいい。
「お…お願い……っ」
掴んだ手まで、ふるふると震えてくる。
こんなに勇気を出したのは、いつ以来だろう。
人間って必死になると、恥ずかしいことでもなんでもできるんだって、そんなことを思ってしまった。