出会いはカフェで



「ただいまー」



『おかえりなさい』


娘の華と、お出迎え
私から華を抱き上げ、だだいま、と
拓海は父親の顔になる



「で、どう?」


『…うん、まあ…ね』



曖昧な答えを出す私
思ったより深刻だった

真紀さんと一緒に帰宅してから1時間後
誠さんは珍しく青い顔をしてやってきた


真紀さんから喧嘩の理由は聞いていない
けど、誠さんの顔を見たら
これは只事じゃない、って思う


それに、いつもの喧嘩なら
真紀さんなら絶対私に愚痴を言うのに
今日は終始無言だ


それも気になるが、
帰ってきてから、真紀さんの携帯が鳴った
多分、誠さんの秘書さんではないかと思うけど…


その電話の後、真紀さんは泣いていたようにも見えた
だから余計心配
聞こうにも、誠さんがいるから
聞くに聞けない
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