出会いはカフェで
『……っ。どうしたんですかっ?』
拓海さんの右手の甲に
包帯が巻かれていた
「あっ……んー、怪我?」
『痛そうですね、大丈夫ですか?』
「うん、こんな傷大丈夫。大事な人達を守れたから……」
拓海さんの言葉に私は
少なからず傷ついた
怪我をしてまで守りたい人がいる
拓海さんが大切にしている人がいる
私は……
働いている会社と名前しか知らない
私の片想いは、ただの自己満足。
傷つきたくなくて
会えなくなるのが嫌で
何もできず、踏み出せないまま
私の片想いは終わろうとしていた