私がアイツに恋する時。
『 んまぁあいつが傷ついたところでだから何?って感じなんだけど。 』
「ちょ……お前。それはっ!」
一気に顔色が青ざめて中林のケータイに近づく
「どーせ証拠見せろとか言い出すだろーと思ってな。ずっとポケットの中で録音してたんだよねー。つーかこうなるの全部わかってたって。」
「……っ!」
驚きすぎて声も出ない様子だった。
「っさ。こんな人間を信じるのか?それとも賀菜か?」
クラスメートのほとんどが下を向く。
「どっち選んでもそりゃ自由だろ。まぁ賀菜をイジメるんだったらそれなりの覚悟な。」
また静まり返る教室。
「お前…賀菜に謝れ。ここにみーんないる。みんなの前で謝れよ。」
いいよ。中林。
こんなやつに今謝られたって───
「俺が?水谷に?どして?」
ほらね?
こういう奴なんだ。
「は?」
「水谷が勝手に好きになっただけじゃん。それで傷つけたから謝れとか?なにそれ。イミフメイ。」
「お前なっ!」
中林!!!
もういいからっ!
胸ぐらをつかんで顔を引き寄せる。
今にも…殴りそう。
「やめて!中林……もういいからっ!」
何人かで止めに入った。
一瞬中林は我を忘れていたらしく、私の声を聞いてなんとか手を離して、雄介君を突き放した。
しりもちをつく雄介君。
「帰る。」
ドアを乱暴に閉め中林は自分の教室に戻って行ってしまった。