私がアイツに恋する時。


「ちっ。ただですむと思うなよ……。」



起き上がりながらつぶやく雄介君。




「……自分が悪いんでしょ?」



……真希。


「ずっと雄介君のこと好きだったけど、水谷さんのこと…っていうかみんなのことそんな風に思ってたなんて……最低。」


「…るせぇ。そんな奴に騙されてたおまえ等が悪い。」



改めて思う。

私…こんな人のことを気にしてたなんて…バカみたい。



この教室にもう雄介君の味方をする人は誰もいなかった。



「あーあ。すっきりした。ってなわけでこれからはもう話しかけてこないでね?すっげー迷惑だから。それと雄介君だなんて軽々しく名前で呼ばないでね?キモイ。」



とうとう本当の彼が見えた気がした。

自分から気になった子しか声かけなかったのはグイグイ来られるのがうっとおしかったんだ。


雄介君が教室から飛び出していった。


沈黙が続く教室。


…誰か話してよ。私が話し始めるのは何か違うでしょ?


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