私がアイツに恋する時。



でも、そのときはそれがなんなのかまだよくわかってなかった。

そのときは本当に気分悪くてあんまりよく覚えてなかったしね。




………それから数日が過ぎたある日。



「かなちゃん!運動場に行こ!」



友達に誘われ運動場へ。

女の子の遊びって言ったら当時は一輪車。


私は上手く乗りこなせたから乗れない友達のお手伝いしてた。


そうしたらよくあるパターン。


男子のドッジボールのボールが転がってきた。

まだ言っても小学1年生。

そんな強い球が飛んできたわけじゃない。


私はそのボールを拾って転がってきた方を向いた。



「あ……。」

「あ……。」


ボールを取りに来たのは友哉だった。



「かなちゃーん。こっち投げて!」

「あ…うん。」


ぴょんぴょん飛び跳ねてこっちに飛ばしてくれアピール。

友哉に向かってボールを投げた。



「ありがと!」


男子からかなちゃんって呼ばれたのはそれが初めてだった。

それにボールを渡したときのきらきらした笑顔。


それを見た私は胸がドキドキしていた。



「だれ?お友達?」

「ううん。この前保健室で会ったんだ。あらいくんだって。」

「へぇ…。」


友達なんて関係じゃない。

ただの保健室の子。

お互いそう思ってた。

そのはずだった。




「ねぇっ!かなちゃん!一緒にドッジボールやらない?」


へっ?

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