私がアイツに恋する時。
あらたなあくむ。



「んじゃ帰ろっか?」


放課後、秋穂と一緒に教室を出た。


「あ…あの……。」


誰?

声のする方を振り向く。

あ…琴奈さんだ。


「えっと……。」

「嶋田琴奈です。」

「し…嶋田さん。何か用ですか?」

「ちょっと……いいですか?」



嶋田さんにそういわれ秋穂に目をやる。



「すぐ終わるんでしょ?そこでまってる。」


そう言ってくれた。

私は嶋田さんと教室に戻った。



「…で。お話って?」

「僚太くんとどーゆー関係?」


急に話し方が変わる。

さっきと違って…正直怖い。



「どういうって……別になんの関係も……。」

「ほんと?好きなら別にそう言ってくれてもいいんだけど。」

「な…何もないよ。本当に。」


むしろ…近づかないでほしい。

キライだから。


「…そうなんだ。まぁいいや。あのさ、僚太くんに近づかないでくれる?」



は。

はい?


「どういう……?」

「わかんない?私さ、僚太くんと幼なじみなんだよね。それでずーっと前から好きなの。もう少しで付き合えるっていうところなのにあんたが邪魔。だからだよ♪」


……なるほど。


「でも……私、中林のこと好きなんかじゃないし。それに近づいてくるのは私じゃなくて中林のほうだよ?」

「じゃあ彼を近づけないで。」


……いや。

それができたら苦労しないよ!!

それで近付いて来ないんなら。



「わかった。」

「約束だよ?破ったらしょーちしないよ?」

「わ…わかってるよ。」



早く帰ってくれないかな?

私の苦手な声。

美優と同じ感じの声。


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