私がアイツに恋する時。
次の日、いつも家を出ている時間に家を出た。
またきっとアイツに会うんだろうな。
私はいつものように右の一番端っこの席に座りイヤホンをつけ、本をひろげる。
お願い。
私に気づかないで……。
本の内容なんてほとんど頭に入っていなかった。
次の駅につき、ドアが開く。
おそるおそるドアのほうを見た。
あれ…?
いない。
ウソ……。
隣のドア、その隣のドア。
キョロキョロ周りを見回してみる。
……もしかしたら…嶋田さんと一緒に来るのかな?
まぁ…それはそれでよかったんだ。
私はまた本に目を戻した。