私がアイツに恋する時。


駅についてイヤホンをつけたまま、学校までの道のりを歩く。

……暑い。


若干足元がふらつく。

あー、こんなとこで倒れたりしたら、ただの迷惑な人。


ただひたすら前を見て足を早める。


すると後ろから不意に肩をトントンとたたかれた。


またアイツ………。


「何?」



声を強めに出して後ろを振り向いた。



「あ……。」



そこにいたのは中林じゃなくて……


「し…嶋田さん。」


私はその場で立ち止まり音量を下げた。

外でイヤホンを外す気は全くないから。



「誰と間違えたの?あ…もしかして僚太くんだと思った?ゴメンゴメン。」



完全にバカにしてるよね……。

そんなぶりっこみたいな話し方…声。



「今日もさっき会ってたみたいだけど?」


…あの場に……いたの?



「で…でも、あれはアイツが勝手に……」



何こんなに焦ってるんだろ。

 

ただ向こうが話しかけてきただけなのに。


「わかってるわかってる。でも言ったよね?近寄らせないって。
まあいいよ。でも絶対約束は守ってよ?
私ちゃーんと罰ゲーム考えてるんだぁ♪」


罰…ゲーム?

私…いつゲームしてたっけ?



「罰って?」



右耳のイヤホンを外され嶋田さんの口元が私の耳に近づく。



「あんた……自分の彼氏、自分のせいで死んだんでしょ?みーんなにいったらどーなるんだろね?」



え───

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