私がアイツに恋する時。


「どうしてそのこ…「んじゃね。」」


イヤホンから手を離し嫌な笑みを浮かべて嶋田さんはスタスタと前を行ってしまった。



足が…動かない。

どうして?


どうして…嶋田さんがあのことを?


体中が震える。

誰…?誰が一体…。



もしかして……秋穂?


そんな…そんなわけないよね?


秋穂が裏切るなんて…。


どうしよう。

頭がクラクラする。


だんだん視界がせばまってくる。


こんな所で……倒れたら…。


だけど……ダメ…。



「大丈夫!?」



足の力が抜ける直前。

誰かの声がして、その声の人に支えられていた。


この声って……。


「友哉……?」


そんなわけない。


わかってるけど……。

それ以上その人に話しかけられない。


考えられない…。


顔も……わからないのに……。


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