私がアイツに恋する時。
どっちにしてもちゃんとお礼……しなきゃね。
いくら嫌いでもそれはちゃんとしないと。
『人の為に何かしたり、助けたりしないよ?』
そんな中林が助けてくれたんだから。
何かプレゼントでお礼……できたらな。
少なくとも夏休み前までに。
何がいいんだろ。
って……用意できたとしてもどうやって渡すの?
あんなにずっと嶋田さんが隣にいるのに…。
「ただいまー。」
「おかえりー。」
ああ。
今日お母さんいるんだ。
別に会話することはなくて自分の部屋に入った。
「ただいま。友哉。」
つぶやきながらベッドに倒れこんだ。
「友哉……。別にね。好きとかそういうんじゃないんだけどね。私のこと、助けてくれた人がいるんだ。
お礼……何がいいかな?」
………。
返事なんて、返ってくる訳ないのに…1人でつぶやいてる。
「そいつね、ホントにヒドい奴なの。私の気持ちなんて全く考えてなくて自分勝手なことばっか言って……強引で……顔だけが友哉とそっくりで………。
でもね。そんな奴なんだけど…自分が刺されたのに私を守ってくれたんだ…。
まるで…。」
まるで………。
「友哉みたいなんだ。」