私がアイツに恋する時。



早速家で材料を揃えた。

……やっぱり。


これからもずっと作る予定だったチョコケーキの材料はたくさん残ってた。



「ふぅ……。」


目をつぶって大きく深呼吸。

よし。


作業に取りかかる。



作り方は思い出さなくたって手が覚えてる。


久しぶりに友哉のことを思い出した。



『またアレ…作ってよ。俺…賀菜の作るヤツ全部好きなんだけどさ。でもやっぱチョコケーキだな。』


『賀菜は意外とドジだよね。力全然ないしさ。だから俺が絶対守ってやらねーとな。』



『 何があったのかは知らないけど…何かあるんなら俺…いつでも聞くから。ずっとお前の味方だからな。』




あれ……?

………違う。

最後のは中林。



じゃあ………ずっとそばにいてくれたのは?

電車で一緒に音楽聞いたのは?


ずっと私に笑いかけてくれたのは?



私を……守ってくれたのは?


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