私がアイツに恋する時。
「久しぶりだね。私達は……元気だよ。」
しゃがんで、石に向かって話しかける。
「これ。友哉が大好きなケーキだよ。久しぶりに作ったんだ。」
袋ごと前に置いた。
「本当はさ。渡したかった人がいたんだけど…、渡せなかった。」
苦笑いしながら私は続けた。
「別に……好きとか…そういうんじゃないんだよ?私は。だって付き合うことを遊びだって思ってるんだ。
だけど……私のこと助けてくれて、2回も好きだって言ってくれた。付き合ってもいいかななんて思っちゃった。でもさ、申し訳ないよ。友哉に。
友哉は自分の命かけてまで私を守ってくれたのにそんな私が友哉にそっくりなだけで別人と一緒にいるなんて。それにさ───」
「どうしてあなたがここにいるの?」
反射的に声の方を見る。
「ここには来ないでって言ったよね?」
友哉の、お母さんだった。