私がアイツに恋する時。
「あれ?いない……?」
元の場所に戻った私と中林。
でも…もう友哉のお母さんはいなかった。
入り口は私たちがいたところともう一つある。
もしかしたら……そこから帰ったのかな?
私はしゃがみこんでお墓に手を合わせた。
「なぁ……賀菜。」
「何?」
「一つだけ聞いてもいい?」
「うん。」
「それにさ……何?」
それにさ?
何のこと?
「さっき話しかけだっただろ?“それにさ…”って途中であの人が来たけど。」
「ああ……」
いつからいたの?
本当にストーカーみたい。
「言わない。」
「まぁ…そりゃそっか。俺のこと大嫌いだもんな。」
ううん。
そんな理由じゃない。
「………い。」
「ん?」
「……い。」
どうしても大きな声で言えない。
こんなこと人に言うのが恥ずかしい。
「聞こえねーよ。」
「だから………」
………。
「怖い……の。」
これで聞こえた?