私がアイツに恋する時。
「怖い?」
「もう……イヤなの。私と関わってるひとが不幸になっていくのが。」
「だからそれはさっき……「そうじゃない。」」
これは友哉に限った話じゃない。
「友哉は……私を守ろうとして死んじゃったんだ。中林だって…私を守ろうと美優にケガさせられたじゃない。
私ひとりが幸せになっても…周りが不幸になるのは…もう見たくないよ。」
私は地面に落ちた袋を拾った。
きっともうあのチョコレートケーキはぐちゃぐちゃ。
「バーカ。友哉が不幸なわけないだろ?」
「え?」
今まで考えたこともなかった答えに頭が混乱する。
「大好きな奴が元気で今も幸せでいる。これ以上の幸せってある?
自分は犠牲になったかもしれねーけどさ、おかげで賀菜は今、生きてる。幸せなんだ。
賀菜にできるのは友哉の分まで生きて幸せになることなんじゃねーの?」
………。
………。
……そうなの?
友哉────