私がアイツに恋する時。
「だめだよ。こんなの。」
「いーから」
中林に無理やり袋を取られた。
「これ、もらっていいよね?」
「……うん。」
ほんとはほんとはちゃんとしたの渡したいのに。
あの時…嶋田さんさえいなかったら……。
「やった!これうまいんだよなー。」
美味い?
どうして知ってるの?
これ…渡したことないよね?
…どうして……?
「んじゃ帰ろっか。」
私の前を中林はどんどん進んで行く。
待って。
「どうして…それが美味しいって……?」
「なんでもいーだろ?」
それが適当にごまかしてることくらいわかる。
「どうして?」
「………。」
「答えて。」
「だって…6日前に…くれただろ?」
「6日……前?」
それはあの日あの公園で捨てられた日。
じゃあ……
「捨てられたの…食べたの?」
「おう。だって俺のだったんだろ?」
「どうして…そのことを?」