私がアイツに恋する時。


そして夕方になり、秋穂は一時的に家に帰っていった。

………。

やっぱりなんだかんだ僚太は賢いんだなってことがよくわかった。


何を聞いたって分かりやすく教えてくれるんだもん。

おかげで1日でほとんどの宿題を終わらせてしまった。




「よし。これで夏休みは他の勉強できるね。」

「……どっか行く?」

「え…、」



それって…デートのお誘いってことでいいのかな?



「んなこと言っただけでそんな顔赤くする?フツー。」



あ……赤い!?


やだ…緊張してるのバレてる………。



「どっか行きたいとこある?」

「ど…どこでもいいよ?」



僚太といられるなら。

はぁ……これじゃ完全に僚太に夢中な人だよ。

ちょっと前まではあり得なかったのにな。


いやっ!今だって別に夢中な訳じゃない!!




……と思う。



だけど

離れてるともう会えなくなっちゃいそうで怖いのは確か。




「んじゃ映画館の近くでブラブラする?」

「それは───」



映画館ってきっとあの人で溢れてるところだよね?

できればそこだけは………。




「どうして?どこでもいいんだろ?」



……そうは言ったけど。

どうしてもダメな理由がある。



「う、うん大丈夫だよ?」



……多分、大丈夫。

もう……大丈夫。



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