私がアイツに恋する時。
「ふぅ。」
ため息をついた。
やっと部屋の片付けが終わったとこだからね。
もうこれで誰がきても大丈夫。
後は連絡が来れば駅に行くだけ。
ベッドでしばらく横になる。
ピンポーン。
あれ?家まで来てくれたのかな?
それともお届けもの?
まぁいいや。
とにかくベッドから飛び出て玄関を開ける。
「はーい。」
「……っよ。」
………え。
「中林………?」
そう。
この家に来てチャイムをならしたのは今一番会いたくない中林だった。
「……何?」
目線をそらしながら目の前のニセモノの友哉に聞く。
「これ……落としてってたから。」
私の目の前に何かを突き出した。
少し目線を下から突き出された何かに向ける。
あ………。
「それは────」
それは友哉からもらった大切な最後のプレゼント。
安っぽいけど気持ちのこもった銀色の指輪だった。