私がアイツに恋する時。


「これ……どうしてあんたが?」

「さっきぶつかった時に落としてたから。」



これを落としちゃうなんて………。

そりゃ友哉に恨まれるよ。



「ありがと。」

「お…おう。」



少しニヤニヤした顔で中林は返事した。

それから私が差し出した手に中林は落とした指輪を乗せた。

もちろん顔はあまり見ないようにしてね。



ってか!




「どうしてここがわかったの?」

「ん、まぁすぐ声かけたくても怒ってたから声かけられなかったんだよね。んで………」

「つけてきた……?」

「んまぁそういうことかな?でもさっ。俺家ここから2駅しか変わんねーんだよな。」



だからついてきたとは言えないって言いたいの?

ばかっ!

ストーカーみたいじゃん!



「明日でもよかったのに………ストーカーみたいなことしないでよっ!」

「だってこれ大切なやつなんだろ?」



何?そんなこと言って私を好きにさせたいの?



「そんなことしたって私あんたと付き合う気なんてないから。」



ドアをさっさと閉め、鍵をかける。



いい加減にしてよ。

どうして私なの?

友哉に似ているから余計に辛い。


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