私がアイツに恋する時。
「おはよー。昨日は楽しかったねっ!賀菜ん家広くてびっくりしたよー!」
次の日、昨日のあのことはなかったことになって私を入れた5人はまたいつものように話し合う。
「そうだね。またおいでよ。」
本当はあまり内容詳しく覚えてなかったりするんだけどね。
「ふーん。昨日楽しく遊んでたんだ。俺も今度行っていい?」
この声ってまた………。
「何?他のクラスに堂々と入ってきて馴れ馴れしくしないでよ。」
秋穂がこんなにキツく言う相手。
「はいはい。」
中林。
ほら……また。
体が固まる。
どうして?
この人は友哉じゃないんだよ?
「賀菜?また顔が…。」
「なぁ。どうして俺の顔みるたびにそんなぼーっとすんの?元彼のこと思い出すんだったらまた付き合えばいいじゃん。
まぁ俺だったらフラれたやつのことなんてすぐに忘れるけどな。
さっさと忘れて俺と付き合ってよ。」
今何て──
もう……耐えられない。
無意識のうちに私の手は中林の頬に。
パシ……。
「ってーな何すんだよ!」
「簡単に……簡単にもう一度なんて言わないで。あんたみたいなプレイボーイにはわかんないでしょ?
大切な……大切な………。」
涙が溢れ出す。
「自分にとってかけがえのない人を失うことのつらさなんて……。
あんたはいいもんね?全部遊びなんだから。
友哉じゃなくて……あんたみたいなのが先にいなくなればいいのよ!」
本気で好きになったことのない人になんてわかるはずがない。
途中から自分でも何を言ってるか覚えてなかった。
ただ軽々しく忘れろって言われたことに腹が立って。
「賀菜………それは言い過ぎ……「バカみてぇ。何キレてんの?俺、間違ったこといってる?そんなに思い出したくない奴だったらさっさと忘れればいいだろ?
恋愛を本気にするからそうなるんだよ。」
………っ!
本当に最低。
もういい。
「じゃあ…別にそれでいいよ…。あんたがそこまでヒドい人だとは思わなかった。
でも……もう私に近づかないで。
どうしたってあんたの事を好きになんてならないから。」