私がアイツに恋する時。


「ちっ。」


中林はいらだった様子で私にイヤホンを返して違う車両に行った。



「あ……ありがとうございます。」

「やだな。敬語だなんて。ってか俺のこと誰かわかってる?」



同じクラスの……えっと………。



「谷 雄介(たに ゆうすけ)。覚えといてくれよ。」


そういえばいたような……。



「ごめんなさい。あまり覚えてなくて。谷君と話したことなかったし………。」

「そんなことで謝んなよ。それより俺のことは雄介でいいから。」 

「ゆ……雄介君。」


雄介………。

優しくていい人そう。


顔はあいつと違って似てないけど……。

優しいところ、言ってることは友哉と同じ。



雄介君の顔見てたら……ついつい自分も笑っていた。


< 50 / 193 >

この作品をシェア

pagetop