私がアイツに恋する時。
「ちっ。」
中林はいらだった様子で私にイヤホンを返して違う車両に行った。
「あ……ありがとうございます。」
「やだな。敬語だなんて。ってか俺のこと誰かわかってる?」
同じクラスの……えっと………。
「谷 雄介(たに ゆうすけ)。覚えといてくれよ。」
そういえばいたような……。
「ごめんなさい。あまり覚えてなくて。谷君と話したことなかったし………。」
「そんなことで謝んなよ。それより俺のことは雄介でいいから。」
「ゆ……雄介君。」
雄介………。
優しくていい人そう。
顔はあいつと違って似てないけど……。
優しいところ、言ってることは友哉と同じ。
雄介君の顔見てたら……ついつい自分も笑っていた。