私がアイツに恋する時。
あれ………?
落ちると思ってた体は階段の下に落ちる直前で止まっていた。
え……え……?
「ったく……ドジ。だから言ったんだよ。」
耳元のすごく近くで中林の声が聞こえる。
まさか……。
少しだけ声が聞こえた方に顔を向けた。
そこに友哉そっくりのあの顔が10センチ先にあった。
「な……何してるの?」
すぐに顔を前にもどした。
「何って賀菜のこと助けたんだよ?」
だからってそんな近くに顔があっても…!
「よっこらせ。」
お姫様だっこみたいな体制になっていた私はそのまま中林に下ろしてもらった。
それから……中林と2人でノートとプリントを拾い集めもう一度積みなおした。
「俺がノート持つから、賀菜はプリント持って。」
もう次はいいって言えなかった。
またあんな目にあうの嫌だったし……。