私がアイツに恋する時。



………。


場所も時間も全部雄介君にお任せして、放課後初カラオケです。



「さーて。僕から歌っていい?」


慣れた手つきでどんどん歌を入れてってた。



男性アイドルグループの歌。


………上手い。


雄介君ってこんなに歌、上手いんだ。



「んじゃ、次。君の番。」



え……ああ、私。


「私はいいよ。」

「まだ下手だからとか言ってるの?大丈夫。下手でも笑ったりしないしさ。」



……まぁ雄介君がそういうなら………。


無言で曲を入れた。


子供のアニメの歌。



お世辞にも上手とは言えないんですよね。


本気の本気で音痴。



それでも雄介君は黙って聞いてくれた。



「へえ…。思ってたより上手いじゃん。」

「そ……そう?」



ドキ………


まただ。


お世辞だってわかってるのに。

雄介君の笑顔をみるたびに胸が鳴る。



何だろう……これ。


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