私がアイツに恋する時。


「それ。好きだって言うんだよ。」


早希に聞くとニヤニヤしてそう言った。



「そうなの?」

「そう。ってか自分の気持ちだよ?」



……わかんないよ。

友哉しか……好きになったことないもん。


それに……友哉だって自然にそうなってたっていうか………。



「あーゆーすけくん!麻紀今日暇なんだけど遊ばない?」


同じクラスの麻紀。

耳の中まで響いてくる高い声。


……雄介君との距離なら私の方が──


「あーあ。もう嫉妬しちゃってるじゃん。」


嫉妬!?

そんなんじゃ……。


「もう好き決定だね。」



そんなつもり…まったくなかったし…。

じゃあ私どうすればいいの?


私は人を好きになってはいけないのに。



友哉のことを忘れちゃいけないのに。


「悪りぃ。今日用事あるんだよね。」


麻紀からの誘いを断る雄介君。


それを見て……どこかほっとしてる自分がいた。


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