私がアイツに恋する時。
そうこうしてるうちにテスト前になった。
もちろんもやもやは晴れないまま。
授業が終わり、すぐに学校を出て電車に乗り込んだ。
もちろん人はいつもより多い。
だって普段部活の人たちもいるわけだし。
私は電車での時間は長めだからしばらくすると人はほとんどいなくなった。
一番端っこの席に座っていつものようにイヤホンをして本を開いた。
あれ………この匂い。
隣の人から感じる特別な雰囲気を感じて、すごく気になった。
横目で隣を見る。
あ………。
中林。
聞いていた音楽の音量を下げ、顔ごと横に向けた。
「ねぇ。中林。」
「………。」
無視?
「ねぇ。」
「……何?」
前のような笑顔でなくほぼ無表情で返事した。
「この前は……ごめん。」
「別に……。もう関わることなんてないんだから。」
目は、開いていた単語帳に向けたまま。
こっちを向いてくれなかった。
「じゃ。」
乱暴に立ち上がってドアの前に立った。
ドアが開くと怒った顔でその電車をおりていった。
そこ……いつも降りてる駅じゃないのに……。
って別にどーでもいいじゃない!!
相手はあの中林だよ?
どうしようが私の知ったことじゃない。
それより大事なのはテスト!!!
あいつのこと考えてる場合じゃない!
勉強勉強勉強勉強。
もう一度音楽の音量をあげなおした。