私がアイツに恋する時。



バックの中からウォークマンを取り出した。


「…聞く?」


ちゃんと中林の顔が見られなくて、横目でちらっと見ながらね。



「お、いいの?」


声がすごく元気になってウォークマンを手にとった。


自分で勝手に操作して、イヤホンをつけて聞き出した。

私はいろいろ考えるのをやめて本を開いた。





そしたら、耳にかかった髪を書き上げられ、耳にイヤホンを押し込まれた。

思わず顔を中林に向けた。



「ははっ。やっとこっち向いてくれた。せっかくだし一緒に聞こ!」



ヤダ…。

そう言おうと思ったけど…。

ま、いっか。


今はなんだか慰められてるみたいだったから。



ただ駅に着いてから学校まで一緒に歩くのは止めた。


だって勘違いされるのはやだもん。

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