私がアイツに恋する時。
ただ学校に着いてからが大変だった。
教室に入る前にふと雄介君とすれ違った私。
一瞬目が合う。
もちろんすぐ目をそらして教室の中に。
「どうして僕から逃げるの?」
大きな声でみんなに聞こえるようにそう言いだした。
視線はもちろん私と雄介君に集まる。
「僕のこと中林と2人で散々いいがかりつけてよく学校来れたよね?」
『友哉くんを殺したくせによく学校に来れたよね?』
フラッシュバックする記憶。
思わずその場にしゃがみこむ。
「水谷さん、そんなことしてたの?」
「中林くんって…あの子だよね…。」
ひそひそ声が飛び交う。
どうして?
どうしてそんなウソつくの?
「賀菜がそんなことするわけないでしょ?」
…晴香?
「そーだよ。」
みんな…。
私…まだ何も言ってないのに。
私のこと…かばってくれるの?
違う…。
中学のあの頃と…。
美優と。
「お前ら…水谷の味方するの?んじゃいいけどさ、証拠でもあんの?」
証拠にこだわる弱い奴。
でも…残念ながら証拠なんてものはない。
みんなが私と雄介君の言い分。
どっちを信じるか…それだけ。