空へ
なんで、指輪がないの?
なんで、傘がないの?
なんで・・・ぬくもりがないの?
翼・・・はやく帰って来てよ・・・。
その場にうずくまり、翼を待った。
携帯を取りだし指を動かした。
―『霞ッ・・・今、どこ?これ聞いたら電話して』
翼の低い声。
翼がどこにいるの?
震える指で翼の携帯番号を押した。
―プルルルルルル・・・
~♪♪~
―プルルルルルル・・・
~♪♪♪~
後ろで携帯がなる。
電話を切ると音もやんだ。