リアルラヴァーズ

「いわゆるおたく、思考な人間の役だよ」

 ああ、成る程。

「別にいいじゃない、オタクだって」
「別に悪い、なんて言ってねーよ。オタクだって人間で、良い奴だっているのは知ってるし……」


 そうなのだ。
 彼は、私がそういった思考の持ち主だと知っても、一人の人間として観て、一緒に歩いてくれる。
 もちろん、偏見的な目で見た事もあるかもしれない。
 それでも、普通に接してくれるのが私はとてもありがたく、嬉しいのだ。

「ありがと」


 ……それにしても、主人公の女の子を取り合うライバルがおたくとは、一体どんなドラマなのか、不思議で仕方が無い。一体何をやらかす気だろう。

「あ、それとさ、この話秘密な。まだちゃんとした記者会見とか何もしてないし」
「わかってます! でも、そんな大事な話、しちゃって良かったの?」
「まあ、お前信じてるし……個人的にも、メンバー的にも、別に堕ちるなら堕ちるで全然構わないからさ!」


 その言葉に、私はいつも勿体無さを感じる。


 りょうの話によると、SnowDarkの5人は、本当は芸能界を辞めたがっている
そうなのだ。




< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop