蛙のなみだ
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ある日、理不尽な男の子のイタズラにより井戸の中に落とされた一匹の蛙がいました。
井戸のなかに落とされた蛙は、外の世界に戻ろうと来る日も来る日も一生懸命壁を登っていました。
でも簡単には出られなくて、途中まで登りかけては何度も井戸の底へ落ちました。
ゴツゴツしてる岩が蛙の身体を傷付けました。
ドロドロの泥が蛙の身体を汚しました。
とうとう蛙は見も心もボロボロになりました。
井戸の中はとても寒くていつでも真っ暗。
井戸の底まで照らす小さな光だけが頼りでした。
その光が雲によって閉ざされるとき、蛙はつぶやくのでした。
‘僕を一人にしないでおくれ’と。
蛙は楽しく池で遊ぶ仲間を思い出して、今日も涙しました。
見上げる夜空は、とても小さく、そして、悔しいぐらいにとても綺麗でした。