俺が思い出させてやる
第1章
『俺が思い出させてやる』
一条から言われた次の日。
咲夜はいつものように教室に入ると
「咲夜おはよう!」
「…。」
一条が来ていた。
咲夜は無視し、席に座った。
「なぁ、お前の好きな食べ物は?」
「…ウザい。」
「好きな食べ物は?」
しつこく聞いてきた。
咲夜は面倒くさくなり諦めて答えた。
「…オムライス。」
「へぇー…何か意外だな。」
「意外ってなによ。」
「子供って感じ。」
咲夜は少しイラッとした。
(一条に言われたくない。)
「なら、今度俺がうまいの作ってやるよ!」
「…料理できるの?」
「俺、けっこー得意!」
一条は自慢げに笑って言った。
「…意外。」
咲夜は一条を見て少し笑った。
「あ、笑ったところ初めて見た。」
「…。」
また、無表情に戻った。
「笑ったほうがかわいいよ!」
「は?かわいくないし。」
「もったいないな〜。」