上司がキス魔で困ります

 ソファに荷物を置いた課長は、当然と言わんばかりに私の隣に立つ。


「いいんですか?」
「当たり前だろう」


 そしてまた軽く、キスされる。

 きゃーー!!!


 おいめぐ。
 こんな調子でちゅーちゅーされて大丈夫か?

 思わず自分に問いかけるレベルだ。

 だ、だめ!
 変に意識しないようにしよう!


「さっ、作りますよ!」


 腕まくりをして冷蔵庫を開けた。


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 粗熱が取れたスフレチーズケーキに薄くアプリコットジャムを塗って仕上げたのは、なんと音羽課長だった。
 手際の良さにはただただ驚くばかりだ。




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