上司がキス魔で困ります

「なにをやっても上手にこなしちゃうんですねぇ……」
「そうか?」


 ケーキは少しおいたほうが美味しいので、食後に食べることになった。


「どうしましょう。お昼になりましたけど」


 なんだかんだで正午を回ったばかりである。


「ケーキを作っていたらなぜか満腹なんだが」
「あっ、それわかります。甘い匂いずっとかいでるからですかね。じゃあお昼はもう少し後でいいかな。コーヒー淹れますね」


 そしてソファーに座ってもらった課長の目の前のテーブルにコーヒーを置くと、
「おいで」
と、手を引かれた。


「あっ」


 気がつけば課長に抱き寄せられていた。

 彼の腕が私の背中と腰に回る。



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