上司がキス魔で困ります
「課長はこれ作っててください」
「……なんだ、それは」
「パズルです」
そしてマットをリビングのテーブルの上に広げた。
「真っ白だ」
「はい、そうなんです。宇宙飛行士の訓練や試験にも使われるんですって」
千ピースの無地のホワイトパズルは蘭ちゃんの暇つぶし道具だ。
普通パズルって絵が付いてて、その絵を元に組み立てるものだと思うけど、蘭ちゃんがやるパズルはなんと無地。しかも宇宙飛行士試験の三倍、千ピース。
こんなものをやるなんて、もはやただのドエムとしか思えないんだけど、むしろエスっ気のある蘭ちゃんはある程度の手応えを求めた結果、この域まで来てしまったらしい。
「私は一日かかって外枠しか作れないですけどねー」
あははと笑いながらキッチンへと向かった。