上司がキス魔で困ります
ミノリには全部話した。最初から最後まで、全部。そして蘭ちゃんに言われたことも、全部。
恋愛経験豊富なミノリは黙って私の話を聞いて、「うーん……」と困ったように考え込んでしまったのだけれど、私としては話すことでまたヒートアップして、余計落ち込んでいるし、自虐に拍車がかかっている。
こんなのダメだと思うのに、止まらない。
「遊びだったのかな」
「え?」
「なら、納得できるんだよね。フィンランドに行くのは当然もっと前に打診されてたわけでしょ……だから、ちょっと珍しいところにちょっかいかけてみようかなって思っただけで……」
「めぐ……」
ミノリは私の泣き言を聞いた後、ぱしんと私の膝を叩く。
「そうかもしれないね。海外に行く前に、いっちょ部下で遊んでやろうと思ったのかもしれないね」
「……っ……」
ミノリの言葉に、いまさらグッサリと傷つく私。