上司がキス魔で困ります
「ど、ど、どうしたの?」
「……いないかと思った」
「え?」
「部屋にめぐちゃんがいなかったらどうしようって考えてた」
「それは、ないよ」
「うん。そうだよね。めぐちゃんはそんな子じゃないってわかってる。でも昨日俺、結構ひどいこと言ったからさ。半分はジェラシーだなって反省してたところ」
そして蘭ちゃんは腕を解き、私の手をつないでエレベーターへと乗り込む。
「ジェラシーなの?」
「そりゃね」
「自分は彼女作ってるのに」
「そうなんだよねぇ」
蘭ちゃんはクスクスと笑って部屋のある回数のボタンを押し、それから隣の私を見下ろした。
「ね、実は俺たち血が繋がってないよって言ったらどうする?」
「えっ!?」
「俺のこと、昨日の音羽良悟みたいに愛せる?」